荒川の獅子舞は、西条市荒川2号(下分・東宮・河ケ平上・河ケ平下)の 氏子でまつる八幡神社の秋の大祭に、神輿のお供をして、お旅所でお神楽が 奉納されたあと、悪魔払いをつとめて舞う獅子舞です。
明治34年、神輿を新造する際に、獅子頭を購入し、獅子舞を始めました。

舞い方は、隣村の黒瀬から酒井友吉氏他1名の方が、山越えをしてきて、 泊りがけで伝授されたそうです。
その当時の若者は、「めかご」を獅子頭にみなして練習を積み、誰でもが 使い手であり囃子手でありました。
最初は、この獅子頭の購入に5円以上を寄付してくれた人の家をまわって いましたが、大正期になりお旅所で舞う習わしとなりました。
戦時中は、息子の、兄弟の、友達の武運長久を願って舞いました。
太鼓をたたく「なぶりこ」は、8歳になると習えたと聞いております。
昭和48年頃、後継者がなくなり存続が危ぶまれましたが、加茂公民館が中心 となり、後継者の育成を行いました。
以来、子供の成長につれて次々と「なぶりこ」を育成し、安泰を保ってい ます。
荒川の獅子舞は、激しい舞いが特徴で、わずか3分半の舞いの中で、獅子は荒れ狂ったり 驚いたりさまざまな表情を見せます。
八幡神社の秋の大祭は、毎年11月3日盛大に行われています。

「なぶりこ」のたたく太鼓にあわせて舞う獅子

獅子舞を始める前におもしろおかしい口上をいいます。

「荒川の獅子舞口上文」

トオザーイ トオザイ 当村氏神祭礼につき、神つつしめがため不調法なるこの獅子一曲あいつとめま するの段。
そもそもこの獅子の謂れは、昔天神地神五代七代、その時高天原にて神楽の舞、 荒々しきうや舞って申す。
さてこの獅子の使い手は、学校行きの鼻たれ坊主や腕白坊主の寄り集まりで、 じいさん、ばあさん、ねえさんの目にはとどまりますまいけれども、あれはあれ だけ、これはこれだけ、みそさざいも四十、はっ鷹のうちかや、こうもりも鳥の うちかや、枯れ木も山の賑わいかや、しょうたれおなごも茶釜のにぎわいかや、この獅子も祭典のにぎわいかやと ご覧にいれまして。
悪魔を払うこの獅子、しばらくの間、荒々しくうや舞って申す。
長口上は時間の妨げ、さよう早速のはじまり。

平成9年11月3日荒川八幡神社地方祭「神主さんを囲んで」

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