川来須(かわぐるす)

国道194号線の拡張工事が行われる前の川来須地区(昭和56年撮影)

 川来須地区は、明治時代別子銅山の製炭場として栄え、炭焼、中持などがたくさんいて、銅山直営の販売所があり、酒屋や宿屋などもあり西条の市街地にも劣らない賑やかさでした。
 当時の川来須には国有林が多く、住友はここで建材を伐り、炭を焼いて、笹ヶ峰の中腹の宿まで運び、そこで集めた木炭は笹ヶ峰と沓掛のコル西山越を通って笹ヶ峰とちち山の北山腹を巻き、樅之木宿(ナスビ平)へと駄送されていました。

 当時の川来須付近の川幅は今の半分もなく、狭い川でしたが明治32年に台風による大洪水に見舞われ、現在のような広い川原になったそうです。

 昭和8年に日本鉱業によって新居鉱山の操業がはじまると、地区は再び活況を呈しましたが、昭和27年に鉱山が閉山した頃からだんだんと寂しい地区になってきました。

 昭和初期の川来須には、30軒ほどの民家がありましたが、現在(平成17年8月現在)では3軒(4人)のみが住む寂しい集落となっています。

現在の川来須地区。国道は広くなり当時の面影はなくなってしまった。(平成17年撮影)

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