棚田の石垣


丹念に積み上げられた石垣
 棚田は、石垣を高く積み上げ一枚一枚丹念に整地されています。

 この石垣の石は、加茂地区藤之石で産出される青色で平らな面を持つ「へぎ石」が使われています。
 大きなものは、割って四角に取ったり、鉄で作った矢を石の目に当て、鉄槌でたたけば板のように剥げる珍しい石です。
 この石は、風呂の炊き口を塞いだり、台所の水回りに使用したりして、昔は生活必需品でした


【棚田の造成】

 山腹斜面に田んぼを開くには、山手側は斜面を削り取りその時に出た石を反対側に積み上げて(積み上げる角度は山手側に約15°傾ける)平らな部分を作り出します。山の傾斜が緩やかなところは、石を少し積み上げるだけで奥行きの広い田んぼができます。山腹斜面の傾斜角度が30°を越える傾斜が急なところになると、『ギシ(石垣)』の高さが3メートルくらいあっても田んぼの奥行きが1.5メートルほどしかないところもあります。1枚の田んぼの広さは、1反(1000u)ほどの広いものから1畝(100u)ほどのものがあったりと様々です。

 

(参考文献)愛媛県生涯学習センター『ふるさと愛媛学』調査報告書・愛媛の景観(平成8年度)による。
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